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花の産地レポート2021 NO.1

活動レポート

兵庫県は、全国第1位のハボタン生産量を誇り、中でも加西市を含む北播磨地域が主な生産地となっています。オリジナル品種の育種も盛んで、色・形・大きさ・葉の質感など、様々なバリエーションのハボタンが生産されています。

令和3年11月4日(木)、フラワープリンセスひょうご2021の3名が、加西市内のハボタン農家を訪問させていただきました。今回は、そのときの様子について、レポートします。

 

<小谷園芸(加西市中野町、栄町)>

小谷園芸では、小谷哲也さん・せい子さんご夫妻に、1ポットに複数株植える「ロマンブーケ」を見せていただきました。

「ロマンブーケ」は、丸葉と切れ葉など数種類の組み合わせがあり、“ブーケ”という名前のとおり、とても華やかで可憐な印象を受けました。生育の姿を揃えるために、スプレーで1本ずつ矮化剤を調整しながら栽培されているそうです。


                       ロマンブーケ

『ワークショップなども開いて、寄せ植え体験やリース作成を通じ、ハボタンの魅力をたくさんの方に知ってもらいたい!もっとお花で楽しく遊んでいきたい!』と、明るい笑顔でお話ししてくださる姿が印象的でした。


                   小谷園芸の皆さんと

 

<増田園芸(加西市繁昌町)>

増田園芸では、約3センチの小さなハボタン「マイクロミニ」を見せていただきました。ここまで小さいハボタンを生産されているのは、増田園芸だけです。大きいハボタンと同じ種から、矮化剤を使用し大きさを調整しながら栽培されるそうです。高さを揃えながら色を出すことが難しいとお話しくださいました。

フリルのような縮み葉など、様々な色・形の「マイクロミニ」を数種類生産されています。小さなハボタンがたくさん並ぶ姿はとても可愛らしいです。

実際に手に取ってみると、改めてその小ささに驚きます。

増田園芸ではハボタン以外にも、約60品種のポインセチアや、ブーゲンビリア等県内でも珍しい鉢物も生産されています。


                  増田園芸の皆さんと

 

<中山園芸(加西市鶉野町)>

ハボタンの育種・生産に先駆的に取り組んでおられる中山園芸。約12品種のハボタンを育種・生産されています。

「キャンドル」は芽キャベツとの交配で、育種に約10年もの歳月をかけ完成されたそうです。わき芽のふいた長い茎が特徴で、先端がブーケのように枝分かれしている個性的なハボタンです。


                          キャンドル

「ウォーターリリー」は、葉の中心が白くなり、さらにその中がピンクになるバイカラーの品種で、葉先がとがった剣葉になるのも特徴です。現在1番人気のある品種だそうです。特に、つやのない灰青色が特徴の「パープルステン」との組み合わせが、モダン的で人気となっているそうです。


                      ウォーターリリー


                     パープルステン

『虫がついたことがきっかけとなり育種した品種もある』、『りんごを食べるときも何の交配かなと考えてしまう』など、たくさん楽しいお話をしてくださり、日々楽しみながらハボタンの新たな可能性を探られているのだなと感じました。


                    中山さんご夫妻と

 

<株式会社Hanayoshi(加西市岸呂町)>

株式会社Hanayoshiでは、葉に光沢のあるハボタン「光子シリーズ」を育種されています。その美しさや栽培のしやすさから、生産者の方からも高い評価を受けている光子シリーズには、切れ葉、丸葉、白、紫色など様々な種類があります。

一面に並べられたハボタンが、太陽の光に照らされて、キラキラと光り輝く光景はとても美しいです。

「光子シリーズ」の育種のきっかけは、お手伝いに来られていた大塩さんのお母様が、交配後放置されていたハボタンの種を採っていてくれたことだそうです。その種を蒔いたところ、照り葉のハボタンがいくつか出来たことから、その後何度も交配を繰り返し、長い年月をかけて完成されたとのことです。


                        大塩芳弘さんと

 

<兵庫県立播磨農業高等学校(加西市北条町)>

園芸課草花デザインコースハボタン班の生徒達の案内で、校内で栽培しているハボタンを見学させていただきました。歴代の先輩から受け継いだハボタンの花から種を取り、そこからまた交配をする、という工程を代々繰り返しながら、日々ハボタンの新たな可能性を求めて研究に取り組んでいるそうです。

年末用の大株づくりのハボタンも栽培し、イベントなどで販売も行っているそうです。


                播磨農業高校の皆さんと

 

<高見園芸(加西市別府町)>

高見園芸では、加西市内で最も多い約50種類のハボタンを生産されています。今回は、オリジナル品種「マルモドルチェ」や「萌花(もか)」を紹介していただきました。

髙見さんが生産された「萌花」シリーズの「萌花マーブル」は、第31回兵庫県花き品評会で農林水産大臣賞(金賞)を受賞されています。斑入りでアンティーク調の色彩がとても美しいハボタンです。


                    撮影者:津田 孝二


                     高見さん親子と

 

令和3年12月11日(土)・12日(日)に、イオンモール加西北条(加西市)にて「北播磨ハボタンフェア」が開催されます。今回訪問させていただいた農家や播磨農業高校のハボタンも出品されます。フラワープリンセスも会場にてお手伝いさせていただきますので、是非お越しください。