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フラプリ2021×OG 座談会 「学びの連続。そして、コロナ禍で思う。」

活動レポート

清水 ここ兵庫県公館へは来たことはありますか?
藤本 昨年末、「兵庫県農業賞・林業賞・水産賞」の表彰式があったので、その時に伺いました。
清水 あ、その表彰で私の知り合いの牛農家さんも表彰されていて。表彰式の司会をしていただいたんですね。えっ…っと。みなさん、そんなにじっとこっち見ないでくださいよ。緊張します。
一同 笑

参加者



フラワープリンセスひょうご2021
 代表プリンセス
  藤本真凜 (ふじもとまりん)

明石市在住、会社員。
特技はクラッシックバレエとジャズダンス。
関東・関西のテーマパークで様々なパレードやショーに出演。



フラワープリンセスひょうご2021

西澤愛華(にしざわあいか)

芦屋市在住、大学生。
趣味はドローン操縦、書道、アナログレコード収集など。
さくらFMラジオパーソナリティとしても活躍。


 

フラワープリンセスひょうご2021
稲垣梨菜(いながきりな)

神戸市在住、会社員。
趣味はピラティス、舞台鑑賞。
過去には、国際的祭典にてVIPアテンドとして日本の魅力を発信。



兵庫県広報専門員 清水奈緒美

元フラワープリンセスひょうご2011。
香美町出身。趣味はアニメとロードバイク。
最近は着物や日本画など和文化に傾倒。

応募のきっかけは…

清水  応募のきっかけはどういったものでしたか。
西澤 美容室を経営している祖母が、常連のお客さんに庭で育てたお花を度々プレゼントしていまして、祖母もお客さんも笑顔になっているのを見て、「私もお花に携わる活動がしたい」と思い応募しました。
清水 そうなんですね。西澤さんは、お花とかは習っているんですか。
西澤 祖母も母も華道の先生の免許を持っていて、その影響もあって、私もちょっとだけ生け花をします。見よう見まねですが、楽しいです、お花を生けるのは。
清水 私は生け花のいの字も分からないので、すごいです。切り出しのトップバッター、緊張するのに、ありがとうございます。

藤本 私は、コロナが流行する前までは千葉県に住んでいて、テーマパークでダンサーの仕事をしていたんですが、コロナでパークがクローズしたり、なかなか踊るのも厳しい状況になってしまって、実家の兵庫県に帰ってきたんです。夢が叶って行ったばっかりだったので、直後はすごく落ち込んで、「どうしようか」という気持ちだったんですが、「ただ落ち込むのではなくて、せっかく兵庫県にいるのだから、兵庫県でできるダンサー以外の新しいことを何かやってみよう」って探していた時に、フラワープリンセスの募集をネットでたまたま見つけて、3月30日とか31日の締め切りぎりぎりで応募しました。
清水 へぇ!そうやったんですね。

稲垣 私は全国出張を伴う仕事をしておりまして、観光地へ行ったり、各地で美味しいものを食べたりするなかで、「もっと地元、兵庫について知りたい」っていう気持ちがあったのがひとつと、現在、夢だったお仕事に就けているのですが、これからのキャリアプランを考えた時に「自分の思いを自分の言葉で表現するお仕事にも挑戦したいな」と思って応募しました。
清水 「国際的祭典でのVIPアテンドを経験」って書かれていたのは稲垣さんでしたっけ?
稲垣 はい。海外で行われたスポーツの祭典で日本PR館のようなところで、着物を着て海外の大使やアスリートをアテンドしていました。
清水 なるほど。稲垣さんからVIPアテンドのオーラが出てますもん、なんか。
稲垣 ありがとうございます(笑)。

 

「SNSの師匠」「経験豊富」「気配りの人」
3人の関係性は?

清水 ご年齢的には稲垣さん、藤本さん、西澤さんという順でお姉さんですが、3人の関係性はどんな感じなんですか。
稲垣 愛華さんは、私のなかで“SNSの師匠”です。
清水 おおぉ、さすがSNS世代。
稲垣 Instagram、アメブロ、facebookで発信をしていますが、「どうやったら多くの方に見ていただけるか」、見せ方などアドバイスをいただいてます。
清水 えっ、どんなアドバイスですか!教えてください。
西澤 写真を主体に発信するのか、文章を主体にするのかで、「こうしたらいいんじゃないか」と思うことをお伝えしています。
稲垣 やはり普通のミスコンとちがって、県からお仕事をいただいているので、インスタとアメブロでは書き方を変えたりして、どの年代の方にも親しみやすく兵庫県の魅力を知っていただけるように、いろいろ3人で話し合っています。
藤本 はい、本当にSNSの先生です、西澤さん。梨菜さんは社会人経験も含めて経験が豊富なので、もう、私は2人にすっごい助けてもらっています。
清水 へぇ。じゃぁ、おふたりから見て、代表の藤本さんは、どんなお人柄ですか。
西澤 真凜さんが代表で良かったなと思うことばかりです…。県の方、企業の方に接する機会が多いんですけど、すごく周りの方への気遣いや気配りができ、どんな時も周りを見ていらっしゃるなと思います。
清水 きっと接客業とかホールスタッフをしたら、てきぱき臨機応変にお客さんをさばけそうな感じですよね。
西澤 そうです。まさに「臨機応変」という言葉がぴったりで。その場その場の状況をすぐに察知されています。普段はお仕事をされているにもかかわらず、事務連絡の返事がすごく早かったりもしますし。
清水 なるほど。藤本さんは、親善大使のご経験はあるんですか。
藤本 ないです、初めてです。なので、ダンスのオーディションはたっくさん受けてきましたが、フラワープリンセスの選考会ではすごく緊張しました。

 

選考会は、どうでしたか?
//稲垣さんのcase// 花言葉とサンバでアピール

清水 選考会は、みなさんどうでしたか。
稲垣 私は志望動機や自己PRは考えていたんですけど、それ以外はほとんどアドリブでのぞみました。
藤本 すごい…。
稲垣 ファイナリスト10人は、当日用意された10種類の花束を自由に選べるということだったので、私はピンときたオンシジュームとバラの花束を選びまして、花言葉をすぐ調べたら、オンシジュームが「清楚で可憐」バラが「美しい」と「愛」で。私は果物の「梨」に菜の花の「菜」で「梨菜」という名前なんですけど、両親が「清楚で可憐に育ってほしい」と願ってこの名前を付けてくれたのを思い出して、そのことを話しました。

清水 それは、最終選考会のなかの自己紹介の時に、ですよね。
稲垣 はい。あと、二次審査でも最終審査でも「仕事をしながら、出務はできるか」という質問がありましたが、私は「有給休暇と福利厚生が充実しているので、出務に出られます」と答えました。なので、もし、出務が可能でも「社会人だから…」と応募を悩んでいる方がいらっしゃったら、「調整をして全うできる」という意思表示をすれば、きっと大丈夫だと思います。
清水 特技披露では何をされたんですか?
稲垣 私は昔、「神戸サンバチーム」に所属していたので、サンバを踊りました。
清水 サンバ!?
稲垣 だいぶブランクはあったんですけど、一芸披露のつもりで披露…だったのですが、まさかファイナリストのなかにテーマパークダンサーがいらっしゃって(笑)。
清水 え!藤本さんと稲垣さん、どっちが出番、先だったんですか。
稲垣 真凜さんです。「さすがだな~」と思ったんですけど、「楽しんだもん勝ちだ」と思って(笑)。逆に吹っ切れました。
藤本 稲垣さんのサンバは、すごく明るい曲で会場がぱーっと明るくなりました。
清水 私は「語学が得意です」とプロフィールに書いていたので、当日は英語とヒンディー語を話そうと思っていたら、自分のひとつ前の人が帰国子女で、「エントリーナンバー○番、○○です」から自己紹介を始めないといけないところをど頭から「Hello,everyone!」と話し出したので、「うわーーっ」と思って。急きょ、英語を話すのを止めました。
西澤 それも「臨機応変」ですね。
清水 でも、そこは急きょ変える頭があったのに、ステージからはける時の動きを大間違いして、反対方向へ戻っていったので、ほんと冷静なのかドジなのか。

 

選考会は、どうでしたか?
//藤本さんのcase//  緊張。でも、マスク越しでも笑顔を。

藤本 私はとにかく緊張して…。オーディションで、朝ご飯が食べられないことはなかったんですけど、最終選考の日は、お弁当が喉を通らないくらい緊張して、「こんなに緊張することないわ」って。ファイナリストのみなさん、お話がしっかり出来る方ばかりで、それにもびっくりしていました。
清水 そうだったんですね。
藤本 あと、テーマパークのダンスって、笑顔で気持ちを届けるお仕事なんですけど、選考会ではマスク着用での特技披露だったので、ダンスを披露する時に「え、笑顔…どうしよう」って最初は戸惑いました。でも、「目は使える」と思い直して、審査員に目で「思い届けー」って踊りました。

清水 でも、オーディションをたくさん受けている藤本さんが、なんでそんなに緊張するのかなと思ったんですけど、何が違いました?
藤本 やっぱり、人前で話すということが一番違いました。フラワープリンセスの選考会はどんな質問をされるのか分からないですし、「ちゃんと話せるかな」って、すごく不安でした。

清水 その点、稲垣さんは「どんと来い」でしょ?
稲垣 ファイナリストの雰囲気がすごく良くて。私がスピーチをした後も「参考にさせてください」とか「次がんばろうね」とかいい雰囲気でした。すごくピリピリしているのかなと思いきや、そんなことはなく、楽しめました。清水さんの時は、いかがでしたか?
清水 お昼ご飯のときとか、同年代で和気あいあいとしてたグループと、静かに待つ人がいましたね、私の時は。私は割とふざけ合うグループでいろいろ話していました。
稲垣 そうなんですね。私は、同じファイナリストから進路相談もされました(笑)。
西澤 選考会には、同伴者を1名連れて行ってよかったので、私は母に見に来てもらったんですが…
清水 あ。コロナ禍なので同伴者はひとりに限定されていたんですね。
西澤 はい。で、質疑応答を見ていた母が「稲垣さんは相手への配慮を感じる受け答えだから、『きっと選ばれるだろう』と思った」って話していました。

 

選考会は、どうでしたか?
//西澤さんのcase//ラジオパーソナリティの経験を活かして

清水 西澤さんは、選考会はどうでした?
西澤 西宮市でラジオパーソナリティーをしているので…。
清水 えっ。そうなんですか。さくらFMですか?
西澤 そうです。自己PRで「強みはトークだ」と思ったので、2分間のラジオ番組を考えてのぞんだんですが、エントリーナンバーから始めないといけなかったのを緊張ですっぽかしてしまって、「やってしまった」と思った瞬間に一気に緊張が高まって、「落ちた」と思いました。
清水 ちなみにどんな番組を?
西澤 その日は、淡路花みどりフェアの期間だったので、イベントを紹介するコーナーをして次に、リスナーから「好きな人にどんなお花を渡せばいいでしょうか。アドバイスをお願いします。」という質問を受けたという設定で、ピンクのチューリップを提案し、書いてきた花言葉「誠実な愛」を披露しながら、リスナーからの質問に答えるという番組をお話しました。

清水 へぇ。聞いている方もおもしろかったでしょうね。
西澤 あの時は、選ばれたくて必死で準備しました。
清水 西澤さんは、おっとりされていますが、しっかり負けず嫌いですよね、多分。
西澤 はい。負けず嫌いは小さい頃からそうです。幼い頃のエピソードなんですけど、オセロをして負けて大泣きをしていて、その直後、救急車で運ばれるくらいの大けがをしたのに涙を1滴も流さなかったんです、オセロで負けたことが悔しくて。
清水 うわぁ。どおりで、内面に燃えたぎるものを感じますよ(笑)。ラジオパーソナリティには、なんでなろうと思ったんですか。
西澤 高校の時によくラジオを聞いていまして、「ラジオのパーソナリティは、自分の知識量とか経験で勝負するものだな」「素の自分で勝負できるのが魅力だな」と感じて、パーソナリティをしています。台本は毎月、自分で工夫を凝らして用意しているものなので、自分なりに発信できるところがあって、それが誰かの耳に届いて、何か届けられるものがあったらいいなって。
清水 尊敬するラジオパーソナリティはいますか?
西澤 たくさんいるんですけど…言葉のやりとりって、時には語弊が生じたりすることもありますが、発する言葉にマイナスな表現がなく、リスナーとのやり取りも全て、前向きにポジティブに受け答えされている方は素敵だなと思います。生きてきた人生経験が出ているなって感じます。

 

イベント出務が全くない月も。
コロナ禍で「SNSでの発信ならできる!」

清水 コロナ禍で恒例の式典も中止、延期が続きましたよね。
藤本 1か月、3人とも出務のない月もありました。
清水 そうだったんですね。やる気をもって選ばれて、制服もできて…というところだったでしょうに。
稲垣 「今、何ができるかな」って考えて、協賛企業様からの副賞を身に着けたり飾ったりして紹介しようと、SNSを強化しました。
清水 協賛賞品紹介以外には?
藤本 出務で行った場所とか、プライベートで行った宝塚ダリア園やリース作り体験、明石城公園で行われた菊花展などをSNSでリポートしたりもしました。

稲垣 コロナ禍で全く仕事がなかった最初の頃、「好きなお花を自宅に飾って、発信してみませんか」という企画を提案いただいて、それぞれ「どんな花にする?」とか言いながら考えて発信しました。
清水 どんな作品になったんですか。
稲垣 私は「20代の女性が家に居てホッと落ち着ける色に」と、トルコキキョウが入ったバスケットを作ってもらいました。

藤本 私は友人のフローリストに相談して、バラやカーネーションの入った赤がメインの鮮やかなアレンジメントを作ってもらしました。


清水
 「赤」は、藤本さんのテーマカラーなんですか?
藤本 3人で話した時に「私は赤」となって、愛華さんは「黄色」、梨菜さんは「ピンク」の花で。
西澤 私はバラとマリーゴルドとエキナセアを使ったバスケットを作ってもらいました。コロナ禍で家に居ることが多かったので、「癒やされるようなほんわかした雰囲気にしてください」とお願いして。

清水 その、「赤」「黄色」「ピンク」はお花を作った時だけのテーマカラーなんですか?
藤本 でも、今考えると、それぞれのイメージカラーのような気がします。
稲垣 そうですね。
清水 ちなみに私の時も、戦隊ものでもないんですけど、それぞれイメージカラーを、代表は「ピンク」、私は「青」、もうひとりは「紫」と決めてことあるごとに使ってました。
稲垣 面白いですね。
清水 あと「自分たちの代にしかできないようなことをしよう」って、私はアニメ好きなので、3人をアニメキャラ化して1回ブログで紹介したりしたこともありました。簡単にパーツを組み合わせた程度のキャラクターですが(笑)。
プリンセス3人 すご~い。
清水 あと、とある代で手芸が得意なプリンセスさんがいて、自分たち3人のぬいぐるみを製作して、写真を撮る時とかに登場させたりしていた代もありましたよ。
稲垣 やはり、コロナ禍でのSNS発信なので、明るさはありつつも華美にならないようにお伝えしようと心がけています。
藤本 そうですね。あと、イベントをお知らせする時も、「きっちり感染症等対策を講じています」とお伝えするようにしています。

 

司会、イベントのサポート、街頭でのPR。
出務は、失敗と成長の繰り返し。

清水 ようやく出務も本格化してきて、プリンセスとして活動してみてどうでしたか。
稲垣 花きのセリ市場に行かせていただいた時、「花きはコロナで打撃を受けている分野もあるが、観葉植物は売り上げが伸びている」と聞いて、それはうれしかったです。
藤本 私が印象に残っているのは、花き品評会で受賞されたお花の展示販売会での出務で、見に来られた方に「このお花は来年も咲くの?」と聞かれた時に、答えられなかったことです。なので、「プリンセスの活動は、もっとお花や植物の知識があればいいんだろうな」とその時に感じて、それ以降はお花に関する勉強をしています、ネットで調べたり園芸店に通ったりして。
清水 すごい。
藤本 あるお花のPRイベントで、「500円でアレンジメントを製作できます」という体験イベントがあったのですが、来てくださったお客さんが「お花はやっぱり高価なイメージがあって、普段はなかなか自宅に飾ろうとはならなかったけども、この体験を通じてお花を身近に感じたわ」と言っておられて、すごくうれしかったです。
西澤 私も、出務の度にいろいろ勉強になることばかりです。

稲垣 やはり表彰式の司会はむずかしいなと思いました。どうしても時間が押すことが多いんです。でも、タイムマネジメントが司会の役割だと思うので、最近は事前に「押した場合はここを少し簡潔にさせてください」と自分から主催者に相談するようにしています。
清水 仕事をするうえでタイムマネジメントは大事ですもんね。
稲垣 はい。出務を通して、「自分の言葉で伝える」ようになっていると思います。例えば、ただ「葉ボタンあります。人気です、いかがですか」と言うのではなく、生産者の方に聞いた情報を参考に「葉ボタンは正月のイメージがありますが、“和”だけではなくクリスマスツリーやブライダルなど“洋”に使用しても上品で華やかですよ」と言うと、ふっと興味をもってくださる通行人の方もいて。想像力を豊かにして言葉を選ぶようになりました。

清水 稲垣さんは、何が好きなんですか。成長するのが好きなのか、人と会うのが好きなのか、お届けするのが好きなのか。
稲垣 接客と、あと好奇心が旺盛なので知らないことを知るのが好きです。海外の仕事から帰ってきた時は、「もっと日本文化を知りたい」と思って、着付けとか日本酒の資格を取るのにはまりまして(笑)。「いろいろな資格も、プリンセスの活動とは直接関係ないのかな」と思っていましたけど、今度、兵庫県産酒米のイベントの出務があるので、「日本酒の資格が生かせたらいいな」と今、学んだことを見直したりしています。
藤本 すご~い。私は就任してからお花が大好きになって、よくスコップ持って土をいじったりしています。そんなのするのは幼稚園以来です(笑)。ガーデニングはよく母と一緒にするんですが、いつからか祖母も加わるようになって。親子3世代で共通の趣味というか、一緒に楽しめることができて感謝しています。ダンスは体力に限界が来る時がいつか来ると思いますけど、花や植物に接する癒やしの時間はこれからずっと続けられるので、幸せな出合いをしたなと思います。
清水 いいですね。

 

出務を通して見えた兵庫の良さ

稲垣 兵庫県の魅力は、よく「五国それぞれに魅力があって」と言われますが、「人間サイズのまちづくり賞」という式典で、「兵庫県は、阪神・淡路大震災を経験しているので、遺産や文化を後世に残そうという取り組みが進んでいる」と聞いて、私は「いろいろな角度から見て、まだまだ知らないたくさんの魅力があるな」と感じました。
清水 確かに。災害文化という面から見た兵庫の強みもありますし、観光、食、自然、文化、産業…分野ごとにいろいろな一面がありますもんね。
藤本 私は、出務で最初に行ったのが、三木ホースランドパークというところで。それまでは、県内で森の中を乗馬できる施設があるなんて知らなくて。それも家から車で40~50分の距離に。パークに行くまでのまちの景色も、乗馬をしながら流れるゆったりした時間もとても好きだなって。

藤本「兵庫県には、まだあまり有名ではないけど楽しいスポットがいろいろあるんだ」と思ったので、自分もそういうスポットを見つけていきたいですし、自分のお気に入りの場所や時間のひとつひとつが兵庫県の魅力だと思います。

西澤 私は、初めての出務が県立但馬牧場公園の「農業遺産体験館」のオープニングセレモニーの司会だったんですが、初めての仕事が「牛」だとは想像もしていなくって、「但馬牛の勉強をしていこう」と思い、自分なりに勉強していきましたが、担当者の方が当日、館内で但馬牛の歴史を案内して教えてくださり、さらに知識を深めることが出来ました。

西澤 但馬牛って、全ての但馬牛の先祖をたどっていけば、「田尻号」という1頭の牛に辿りつくんですけど、その「田尻号」が他の県のブランド牛の先祖にもなっていたり、但馬牛も神戸ビーフも、他の品種と血が混じらず田尻号の純粋な子孫であったりすることを知って、「兵庫県のブランド特産品って本当にすごいな」と思いました。
清水 一部の優れた但馬牛の肉が神戸ビーフになるっていうのは、案外知られていなくて。私は香美町出身(「田尻号」を育てていた小代地区も香美町)なので、さすがに自分の母は、それを知っているだろうと思っていたんですけど、最近まで母は知らなかったですし、まだまだ知られていないことも多いなと思います。

 

私にとっての“フラワープリンセスひょうご”とは

稲垣 私は審査の時に、「人と人、地域と地域をつなぐアンバサダーになりたい」と答えましたが、例えばお花のPRでは、生産者と消費者をつなぐ役割があるのだと思っています。プリンセス活動にあたって自分なりに大切だと思っていることが、「主体性、調和、想像力」で…。
清水 おぉ、校長先生やん、稲垣さん(笑)。それは、校訓やね。
稲垣 「調和」は、私たちは改善点とかも全部報告して、毎回共有するようにしていること。「主体性」は毎回限られた時間、場所で、自分たちがメインの時もあれば、サポートのようなポジションのときもあるので、その場でのポジションを理解して動く。「想像力」は、現場でもSNS発信でも「こうした方がより伝わるかな」と工夫するという意味です。
清水 稲垣さん、おもしろいです。

藤本 私はこの1年はとにかく、「学びの連続」でした。今までの人生は、ダンスが全てだったので、ダンス以外の趣味や興味も少なかったのですが、お花の生産者の方々をはじめ、あらゆるプロフェッショナルの方など普段の生活をしていたら出会うことのないたくさんの人たちと出会って、いろいろなものに興味を持つようになりました。
清水 いろいろな一面が増えたんですね。
藤本 はい。私はアナウンスの経験も全くなかったですが、最初に研修をしっかり受けさせていただいて、実際に司会をした後、「アナウンスよかったです、いい声でした」と言っていただいたことがあって、「いくつになっても新しいことに挑戦すると、できるようになるんだな」と思って、ひとつ自信をもらえたと言いますか、これをきっかけに、これからもいろんなことに目を向けて挑戦したいなと思います。すごくうれしいんです、私は。
清水 藤本さんは、職業柄、「技術を磨く」というアスリートのような生活をされてこられてきたでしょうし、どんどんステップアップされそうな気がします。
西澤 私はこの1年間は「感謝」です。おふたりと一緒にやれてこれたことは、学びも多く成長させてもらっているので、自分が変わっていけたことにも感謝です。県産品ひとつとっても、県産のお花ひとつとっても、「こんなにも多くの方が携わっているんだ」と実感を持って知れたので、これからもいろいろ知っていきたいですし、「感謝をずっと忘れないように」と思う1年です。

 

企画・編集 兵庫県広報専門員 清水奈緒美