Information

フラワープリンセスひょうご > > フラワープリンセスあれこれ >

「末次桃子×体を動かす」 フラプリ2022インタビュー

プリンセスの制服は一旦脱ぎ、“普段の”格好の現役プリンセスとOGがざっくばらんに語らいます。

聞き手 兵庫県広報専門員 清水奈緒美
(フラワープリンセスひょうご2011)

中学校の時は、陸上の中距離に打ち込んでいたというフラワープリンセスひょうご2022の末次桃子さん。聞けば陸上に専念する前は、水泳やスケート、バレエなども習っていたそう。そんなスポーツマンの末次さんと訪れたのは、兵庫県立尼崎スポーツの森のスケートリンク。

そうです。こちらで、体験するのはアイススケート。

二人で優雅に“ス~イスイッ”と滑るはずが…。

ロボットのようなの硬い足取りの私を横目に、末次さんはどんどん勘を取り戻しス~イスイ。みるみる距離が開いていきました。

リンクの上を滑っている・・・というか、歩いているだけでけっこう汗ばみます。体も温まってきたところで、お話を聞きました。

 

 

自分のなかで陸上が占める割合は大半でした

末次 清水さんは、スケートをされたことはあったんですか?
清水 私は、雪国但馬生まれなので、小さい頃にちょっとというくらいですね。末次さん、今日ほんまはもっとスイスイ行けてたでしょ(笑)。小さい頃はどれくらい滑れてたんですか?
末次 スケート教室の発表会に出たりとかして、昔はけっこう滑れてました。体を動かすことはすごく好きですね。
清水 どんなスポーツをされてきたんですか。
末次 兄が陸上をしていたので小学校の時に自分も陸上をやり始めました。ただ、バレエも幼い頃から続けていて、中学に上がる時に「どっちを続けようか」迷ったんですが、いい成績を出していた陸上1本にしぼりました。母はバレエを続けてほしかったみたいですが(笑)。
清水 陸上のなかでも種目がたくさんありますよね。
末次 私は800m、1500m、3000mの中距離をメインでしてきて、県大会を突破して中国地方大会へ出たりジュニアオリンピックに出たりして。キャプテンを務めさせてもらって、「チームを引っ張ろう」ってがんばっていました。
清水 では、「末次さんといえば陸上!」みたいな感じですか。
末次 そうですね。中学まで自分のなかで陸上が占める割合は大半でした。

 

受け答えでうまくいかないこともありましたが、「思いっきりやろう」と

末次 そういうこともあって、プリンセスのイメージとかけ離れている自分が選ばれるとは思っていなかったです。
清水 そうやったんですね。最終選考の時は何を披露されたんですか。
末次 私はキャンディーズの「年下の男の子」を歌って踊ったんですが、審査員の方から選曲の理由を聞かれて、後から考えるとあまりいい答え方をしなかったので、それは反省というか経験になりました。
清水 なるほど。
末次 周りも素敵な方ばかりでしたし、緊張すると自分でも「何を言っているんだ」って日本語が変になったりするので、前半の自己PRが終わった時に、「あ、多分だめだろうな」と思って、「後半の特技披露の時間は何も考えずに思いっきりやろう!」と気分を変えて挑みました。結果発表の直前に、会場で見ていた母に「(私)選ばれないから、すぐ帰ろう」って連絡して、母も「選ばれないだろうな」と思っていたらしかったので、自分の番号を呼ばれた時はすごく嬉しかったです。
清水 私は応募当時、「自分の特技って何やろう」って、特技披露で何をするか悩んで、結果、「いろいろ製作するのが好きなので、それぞれの市花で兵庫県の形を作ってきました」というPRをしましたよ。難しいですよね、自己PR。

 

逆に私の方が元気をもらったりすることも

清水 プリンセスの活動をしてみてどうでしたか。
末次 花の生産者さんを訪れる研修は、まずビニールハウスの中の暑さにびっくりしました!ですが、「作っている方は毎日、この暑さのなかでお花を育てていらっしゃるんだ」と思うと、それからお花を見る時に、ただ「きれい」っていうより、作る人のことが思い浮かぶようになりました。「苦労して育ててくれる人がいるから咲くんだな」って。

清水 確かに、そうですね。あの、みなさんが研修先として行かれていた加古川市の蘭農家さん、私はコロナ禍初期に取材したことがあって、蘭はお祝いとかセレモニーで贈られることが多いので「コロナで大打撃を受けている」っていうことで。わずかな温度・湿度管理とかお花の生産はデリケートで大変ですよね。
末次 そうですね。
清水 印象に残っている出務は他に?
末次 最初の出務だった9月の「ひょうごまちなみガーデンショー」では、子どもたちが不織布とお花でドレスを作って披露するショーの司会をしました。ほんっとに緊張しました。それから、「ひょうご皮革総合フェア2022&第29回たつの市皮革まつり」では、レザーのバッグを持ってランウェイを歩かせていただいたんですが・・・。
清水 へぇ!制服で?
末次 はい、私たちは制服で、モデルを務める高校生の方は、レザーのファッションに身を包んで、プロのモデルさんみたいだったんですが、私たちは決めのポージングとかもなかったので、乃晏さんと「ポーズ、どうしよっ!」って。ファッションショーに参加するのは初めてだったので新鮮で貴重な経験でした。

末次 選挙の投票を呼びかけるティッシュ配りを三宮でさせていただいた時は、「もらってもらえるかな」と不安でしたが、受け取ってもらえましたし、私は「笑顔や感動を届けるのは私たち」と思っていたんですが、出務で行く先々で「がんばってね」「応援してるよ」って言ってもらったりすると、逆に私の方が緊張を和らげてもらえたり元気をもらえたりすることもありました。
清水 分かります。制服を着てたすきを掛けた瞬間、そんな風に言ってもらえるって不思議ですよね。
末次 はい。プリンセスという立場だからいろいろな人と関われるんだなと思いましたし、コロナ禍だからこそ、人と距離が近くなるってありがたいなと思いました。

 

家族に恩返ししたい

清水 普段の末次さんはどんな人ですか?
末次 歌うのと音楽を聴くのが好きで、あと『ジュラシック・パーク』のシリーズとか『猿の惑星』とかの動物と人間の共存がテーマの映画も好きです。今日はお仕事モードなのですが、普段は人懐っこいところはあります。
清水 へぇ!人懐っこいんですね。

末次 はい。あと大学へ行っている以外は、障害のある人が自立して生活するための介助のアルバイトをしたりしています。施設とかへ行くのではなくご自宅へ行って。
清水 そうなんですね。
末次 実は、身体障害者の身内がいるんですが、私は障害にフラットに向き合えているのと同時に寄り添えてもいると思うので、そういった部分を少しでも生かしていけたらいいなと思ってアルバイトをしています。
清水 意外な一面でした。
末次 フラワープリンセスに応募しようと思ったのも、陸上をがんばろうと思ったのも、「いろいろ苦労をしている母に恩返したい」「期待に応えたい」と思ったところもあります。私は4人兄弟の末っ子なんですが、大変そうな姿を一番長く見てきたと思うので、だから、プリンセスに選んでいただいた時も「母が喜んでくれているかな」と。一番そこが思い浮かびました。
清水 任期もあと少しですが、きっと応援してくれてますよ。
末次 私もひとりのフラワープリンセスとして、応援される人でいたいと思っています。そのためには、自分から誰かを大切にすることなんだなと思います、当たり前ですが。当たり前ですけど、そういうことの積み重ねで、誰かを大切にして、その人が大切にする人も大切にして。そういうプリンセスになれていたらなと思います。